あれから13年(タイトルもうちょっと考えろ!) |
12月5日 今日は特別な日。(またか!) 今日は親父の64回目の誕生日。 小さい頃、恐かった親父。 夫婦喧嘩が絶えず続く毎日はとても嫌だった。 酒に溺れ、罵声が響く狭い部屋。 布団に潜り込んで耳を塞いでいつも泣いていた。 親父を恨んだ日々。 家族を恨んだ日々。 生まれて来た事を呪った日々。 オカンの口癖は「あんなお父ちゃんになったらあかんで」よく言い聞かされてた。 飲み屋でヤクザと喧嘩し、顔が腫れ上がった親父。 仕事に失敗し、養う事に疲れた親父の姿。 親父は1度、金に困って自殺をしようとした事がある。 オイラが小学校4年くらいの時だ。 口にする事はなかったが家族全員、それを感じた。 その年の正月、親父が始めてお年玉をくれた。 それが始めてお年玉であって最後のお年玉だった。 親父があの時死ねなかったのは、勇気がなかった訳じゃない。 親父はやると言ったらやる男だ。 よく、踏みとどまってくれたと思う。 毎日続く夫婦喧嘩。ほとんどが金に関わる事だ。 高校2年の時、耐え切れず親父を殴った。 親父は家を出て行き、オイラの握り締めたこぶしはやり場がなく。 親父が出て行く時に言われた言葉がある。 「お前は俺の子と違う」 そう言って親父は出て行った。 2週間ほど帰ってこなかっただろうか・・・。 それからオイラは交通事故を起こした。 意識不明の状態の中、親父は1日中寝ずに見守っていたとオカンから聞いた。 言葉が出なかった。物言わぬ親父の背中。無いようであった親と子の絆。 小さい頃はその物言わぬ親父の背中に甘え抱かれたかった。 高校3年の時、生活苦から親父は借りた畑で野菜を作って売っていた。 とても恥ずかしかった。 高校になってオイラは自分の家を人に教えた事はない。 その姿が恥ずかしかったからだ。 高3の時に親父に言われた事がある。 「高校出たらお前、家を出てゆけよ」 オイラもそのつもりだった。 あれから13年。親父は2年ほど前から仕事をしていない。 相変わらず畑仕事で自家栽培し生活している。 いつからか、その貧しく恥ずかしい親父の姿を誇りに思えるようになった。 去年家に帰った時、親父は随分年をくったように、あの頃の威勢が良く、無鉄砲で頑固な親父はそこになかった。痩せた体は老いた為と言えど、淋しい気持ちになった。 今日夜の8時頃に親父に電話した。 親父・・・・・・もう寝とった! 64回目の誕生日おめでとう。 不器用で格好悪く、物言わぬ悲しみを抱いた男。 貴方の様な男でありたいと思う。 |
by panyanowakki
| 2005-12-05 21:32
| 今考えやんと、いつ考えんねん
|
<< ファイティング ポーズ | あれから15年 >> |